紙芝居劇むすび



久しぶり公演 しかも松波さんで

朝からSnさんはひとりエッグスの外に出て
歌の練習をしていた。
Hjさんも珍しく早起きしてきて みんなにコーヒーを注いでくれる。
ワクワク感が伝わっていた。

堺の「パンと喫茶 松波」公演は何回目になるのだろう。
おじさんたちを受け入れ 一緒に楽しんでくださる場所。
場所 というものにむすびはずっと助けられてきた。

Snさんが松波のお母さんを見つけると「どうもお世話になります。ママ」と
同志のようなガッツリとした握手をした。

会場は満員御礼。40人以上が店に入ったのはむすび公演でははじめて。
窮屈な思いをさせてごめんなさい。
でも今日は親子連れ ご家族連れが多くて
ご家族やこどもさんと見たいと思っていただけるのが幸せ!

1部はまゆたまのミニライブ。人の歌声の力強さ 美しさを伝える伸びやかな声が響く。
Hjさんと梵玉の舞踊「お夏清十郎」の淡い恋も奏でられ
三味線太鼓の音 お花見気分を満喫していただけたのでは。

2部は紙芝居。Niさんの退院後初の公演。Niさんが主役の
「トモちゃんとカッポレくん」
Niさんは視点が定まらないのか 台本が思うように読めない。
HjさんやSnさんが「しっかりせんかい!」といった視線を送る。

Niさんは年末年始の入退院で体力が落ち 自分が「ぼけた」と不安がる。
「まだ紙芝居できるだろうか。俺にやれるかな」
そんな焦りが緊張となっていたのだと思う。
でも うれしいことに会場からヤジが飛ぶこともなく
みんなが気長に待ってくれ 笑顔さえ見せてくれた。

Niさんは紙芝居の途中だったけど「ごめんなさいね。字が見えづらくって。もう歳なんやなぁ。今日はここまでで置いときます。…前はなんでもやってたんだけどなぁ。」と正直な気持ちをお客さんに伝えた。
このNi節で紙芝居は完成されたと言ってもいいほど
Niさんが紙芝居に注いできた気持ちや時間が表現されていたと思う。

そしてSnさんが考案した「うたのない歌謡曲」
今日のために考え練習し 練りに練ってきた一芸。
腹がよじれる とか 涙がちょちょぎれる という表現がぴったりなほど
会場は笑いに包まれた。

みんなの笑顔をみて Snさん「へっへ」と満面の笑み。
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最後は再びまゆたまの「花笠音頭」でフィナーレ!
実はこの1カ月ぐらい暗かったむすび メンバー間もぎすぎすしてしんどかった。
それを吹き飛ばすように みんなで歌い踊って春を迎えた。

ご来場いただいた皆さん
お手伝いいただいた皆さん
会場をご提供いただいた松波さん
ドタバタしていろんな面で行き届かなかったこと
失礼いたしました。

これに懲りずにまた遊びに来てください。
by musubi-pro | 2012-03-20 20:32 | むすび日記
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