紙芝居劇むすび



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猛暑のなかのおじさんたち

今年の暑さはことさら身にこたえる といったかんじのむすびである。

いつも気配りのNiさんも 妙に不安そうな表情をして
「昨日またふらついてこけて 時計で傷ついたんや」と
手首の傷を見せてくれる。

一番若いMkさんも 来月心臓にペースメーカーを入れる
手術をすることになり「遺書でも書いておこうかな」と言う。

おじさんたちの日常は 不安で心細い。

そんななか8月の夏祭りの屋台用のお米のカンパが届き
材料を持って人が訪れてくださり
9月の公演が決まり 何月何日に誰が来ると電話がかかり
そういったことが命をつないでいるように思える。

元気なのが長老。
スイカを食べて「牛 負けた、牛 負けた」とはしゃいでいる。
うし まけた? → 「うまかった(馬 勝った)」の逆なのだそう。
「しんどいのは みんな一緒。それだけしゃべれれば上等!大丈夫!」
と気弱になっている弟たちを活気づける。すごい人だ。
by musubi-pro | 2010-07-27 23:16 | むすび日記

インターナショナル

毎年恒例で神戸大学の学生さんたちがやってきた。
再生フォーラムのスタディツアーで釜ヶ崎を歩き 体験し
西成プラザでむすびの紙芝居を見たり 住人の話を聞く。

日本人の学生さんたちはもちろん 海外の留学生もたくさん。
インドネシア エルサルバドル タイ キルギス…
出身国が発表されるたび「おぉ~」と拍手するSnさん。

簡単な英訳を手渡して 紙芝居をみていただく。
学生さんたち 紙を見ずに一生懸命おじさんたちの表情を追ってくれている。
一緒に笑ったり 中には感動して涙がでたという人も。

出発前は浮かない表情だったSmさんも 温かく若さに満ちた会場のおかげか
帰る頃にはすっかりご満悦の表情になっていた。

暑さが増すこの時期 高齢のおじさんたちも体力を失う。
「しんどい。ふらふらする」「帰って昼寝せずに 紙芝居やってバタンと寝るよ」
出発前はしんどいモード全開で痛々しささえ見せていたのに
お客さんの笑顔とか 一緒に写真撮ってとか 心の交流を通じて
爽やかな軽快さで事務所に帰ってきたおじさんたち。

公演後 留学生さんがふたり カンパを手渡してくれた。
遠い国から来て自分も大変だろうに…
それを知ってHjさんが「ありがたいことやのぉ」と涙ぐんだ。

苦しいとき 助け合えるのも人なんだなぁと実感する。
感動の涙 うれしい涙 むすびの宝物。  
by musubi-pro | 2010-07-17 22:32 | むすび日記

公演2連発

昨日、今日と公演がふたつ続く。

金曜は摂津福祉専門学校の学生さんたち。
おじさんたちとのお話 紙芝居 学生さんからの質問。
福祉の職場を目指す学生さんたちに向けて
「やさしい人になってください」と 介護を受けているMkさんからコメント。

91歳Snさんにも何かメッセージを とマイクを向けると
「わしな みなさんに聞きたいことがありますのや」
どんな展開になるのかわからず 聞き入る参加者に向けて

「わしは死ぬまで紙芝居を続けたいんじゃ。でも 最近体がいうこと聞かんし
 歩けなくなったり 病が進んだら どうなるのか心配でたまらん。
 病気になったら わし どないなりますのや」
福祉のプロを志す学生さんたちがしばし自分たちで話し合っていたが
制度などをきちんと調べて 後日きちんとお返事します
と誠実にかえしてくださった。
引率の先生が「次の授業のテーマが決まりましたね」とニッコリ。

Sn長老の心の訴えが みんなに伝わった瞬間だった。

土曜日。今日は福祉の現場で働く方たちのご一行を迎える。
紙芝居ではじけるおじさんたちを見守っていただき
その後自己紹介がてらのトークにうつる。
炊き出しの体験談 釜ヶ崎のいいところ わるいところ
一生懸命考えても「わからへんなぁ」という正直さ。
つらい経験も笑いに変えてしまうサービス精神。

おじさんたちはよく「暗い話してもしゃあない。お客さんに喜んでもらわな」
と話す。
ちょっと前まで体の不調にイライラしたり ナーバスになったり
「俺もう長くないかも。自分でわかる」と悲しそうに言っていても
お客さんの励ましの視線でまた生き返ることができるし

そんなおじさんたちが頑張って生きている姿を見る
「わたしたち」はそれぞれに大事なものを確認し 会場はひとつになる。
むすびの紙芝居の臨場感というものは そこにあるのかもしれない。
by musubi-pro | 2010-07-10 21:01 | むすび日記

車いす研修

紙芝居に出かけるのに 足の弱ってきた仲間 体力のない仲間のために
車いすでの移動が必要になってきたむすび。

今日はプロにおじさんたちの車いすの操作を見ていただきがてら
商店街をお散歩する。
車いすを押しながらお散歩しているうちに
飛田の方まで行ってしまって 営業中の店先をついのぞいてしまったり
がらんとした商店街をワアワアと元気よく進む。
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人を押すのはいいけど自分が押されると気を使って「もう交代!」と
すぐに立ち上がってしまう人もいたけど
ときどきふざけながらも しっかりとした足取りのおじさんたちに
今日の講師の椎名さんも「目もしっかりしてるし 気配りできるし すごいです!」
と太鼓判。

段差ではちょっとしたテクニックがいるけれど
落ち着いて いつも相手のことを気遣うおじさんたちなら大丈夫。
安全に 楽しんで 紙芝居公演先に向かいたいものである。
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by musubi-pro | 2010-07-07 19:27 | むすび日記

七夕

七夕には 毎年西成のある方から笹が寄贈され
風流の恩恵にあずかれる。

短冊を目の前に おじさんたちは
「何を書いたらいいのか」と迷う。

Adさんは毎年のように「織姫さま 降りてきて」と書くが
降りて来たためしがない。

他にも「彼女がほしい」とか 生々しいものもあったが
みんなの健康や むすびの繁栄?を祈ったものも多かった。

Hjさんの短冊は 祈りというより 自分への決意。
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91歳Snさんはスラスラと4枚も!
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元気が一番。
笹はクーラーの風にそよそよと揺れるのだった。
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by musubi-pro | 2010-07-06 17:19 | むすび日記

冷蔵庫 買いました

冷蔵庫が壊れて1カ月 人から譲ってもらうにしても
一部が壊れていたり 運搬は とか考えると なかなか踏み切れず
おじさんたちが「月末の保護費が支給されたら千円ずつ出し合って冷蔵庫買おう!」
と言いだした。

自分たちで買う自分たちの冷蔵庫。
ときには人に甘んじず 自分たちも身銭をきろう と なんという潔さ。
朝から自転車でリサイクルショップを何軒もまわってくれたり
近所の古物屋で交渉してくれたり みんな真剣に力を合わせる。

結局一番近くの古物屋で「予算がこれだけしか…」と値切って
1万5千円の2ドア冷蔵庫を購入。
この時期中古冷蔵庫の値段が跳ね上がっていて ひとり2千円ずつのカンパとなったが
「見栄えがええわ」とおじさんたち大満足。

さっそく中を拭いてくれる人 アイスクリームを買ってくる人
麦茶を仕込んでくれる人 うれしげに見つめている人
おじさんたちのチームワークは並外れている。

しかも冷蔵庫が置いたとたんに 来客が次々とあって
エッグスはみるみる満員御礼。「人を呼ぶ幸運の冷蔵庫?」
とますます愛着を感じる一同であった。
by musubi-pro | 2010-07-01 22:17 | むすび日記


西成・釜ヶ崎で紙芝居をするおじさんたちの表現活動