紙芝居劇むすび



そうめんだらけ

お盆の夏祭りで3日間も素麺屋台をやるので そろそろみんな素麺のことで頭がいっぱい。
『素麺一束運動』にご協力いただいている方々のおかげもあり
今日みんなで数えたら400束も集まっていた。袋ごとにラベルの違う素麺が並ぶ。
「ありがたいねえ」 
みんなで嬉しさをかみしめる。

この事務所で素麺をつくるので 片付けもぼちぼちとやっている。
わたしも ゴキブリが走るのをみて つい片付けモードに入る。

素麺します!のポスターを窓に貼ると 通る人が立ち止まって眺めていて
みんなでほくそ笑む。リーダーの書いた女性の顔の絵が ちょっとレトロで色っぽい。
すだれに団扇で飾った 当日の飾りの看板も出来上がる。
「そうめん」か「そーめん」かが議論の的になったが あまり引っ張る話題ではなかったらしく
すんなり「そうめん」に納まる。

「つめたい」か「ちべたい」か「ちめたい」かでも盛り上がる。
おじさんたちは小学生のように無邪気なときがある。
# by musubi-pro | 2005-08-06 23:03 | むすび日記

スピード感

病院に行ったのでいつもより遅れて事務所に行くと 物静かなふたりがお留守番している。
「あれ~台風だから もう来ないかと思ってたよ。」
台風はともかく 行く日に穴を開けて『来るのか来ないのだか分からないやつ』にはなりたくない。

間もなくかなよさんと紙芝居の指導をしてくださるという林香奈さんが入ってきた。同時に卒論のために宮崎からやってきた学生さんと おじさんふたりも戻ってきて 一気に席が埋まる。
林さんのためにその場で『ぶんぷく茶釜』(林さんご自身で朗読)と『おむすびころりん』(リーダー朗読)が上演される。「なんで籠の中に茶釜がはいっているのに気がつかへんねんー」「おじいさんが狸を利用したらあかんやろー」激しい林さんのツッコミに一同たじろぎながらも 無事朗読終了。Aさんの構想中のニューレパートリーにも話が及ぶ。

お昼ごはんを食べてからは 8月中にできたら新作のシナリオを書きつつ 紙芝居の絵も仕上げていくことが確認された(はずだ)。

3時。ほとんどの人がいなくなって私と2人のおじさんの3人になる。
なんとなく元気がないという話。メンバーが足りないという話。
「おじさんたちが楽しめるスピードでやったらいいよ。」
おじさんはホッとして微笑んだ。
# by musubi-pro | 2005-08-06 22:50 | むすび日記

夏バテむすび

今日は出勤人数が少ない。机に顔をうずめ 顔が上がったかと思うと「帰って寝る」と出て行った●さん。この夏の暑さで 体調を崩している人も多いらしい。そうでなくとも長年不摂生を続けてきたおじさんたち。「電気をあてに行ってくるわ~」とそのうちのふたり。大量の薬を持って帰ってきた。☆さんの薬 実に23種類! 今日来ている◎さんも元気そうだが「内臓はめちゃくちゃだー」とのこと。そんなこんなで 残っている4人ぐらいで雑談をする。
紙芝居の話にも触れてみるが 「早く次のレパートリーがほしいなぁ。」「冬や来年に向けて新作がいるんちゃう」だけど「それなら今から準備しなくちゃあ」と言うと しんどそうなムードで なんとなくみんな口をつぐんでしまう。

わたしまで眠たくなってきて むにゃむにゃ と話込んで帰る。
# by musubi-pro | 2005-08-06 22:39

「ぶんぷく茶釜」公演

夕方から再生フォーラムの会合で紙芝居をするというので 観にいくことにする。
出かけるまで 全員で3回ほど読み合わせをする。練習をするが いつも同じところで引っかかる人 自分の出番を忘れる人 これは年齢のせいもあるのか。

小道具を揃えたりしても出発の2時間前には準備が出来て 長い待ち時間を緊張の面持ちで過ごす。5時ごろ夕食。私のお弁当まで用意してくださっていた。「値段は言えんがの~」300円だというお弁当はまだ温かくてお米がおいしい。

いよいよ出かける時間がきた。危ないから と数人で私をガードしてくれる。男性でも夜一人で歩くと囲まれて金品を奪われてしまうんだから とやたら心配してくれている。市民会館まではごちゃごちゃした通りを入っていく。夕方なので屋台で一杯やったり 買い物したり 公園にたむろする人や犬たち。

会場には関係者 支援者など約10数名が集う。わたしはデジカメでの撮影を頼まれる。
何度か読み間違えもあったが それもご愛嬌で 温かい雰囲気の中公演は終了。
100円均一の商品など おじさんたちはお金もさほどかけず 器用に小道具をつくり
要所ゝに笑える芝居やキャラクターを入れながらも
昔聞いたような懐かしいにおいのする「ぶんぷく茶釜」を演じきった。
# by musubi-pro | 2005-08-06 22:32 | むすび日記

2回目の事務所

事務所に入ると「おっどこかで見た顔だなあ」と嬉しそうにする人、照れて目をそらす人、様々な反応だ。私は「ブリジストン」というニックネームをいただいたようで、まあ苗字が石橋なので納得だが、両手で顔のあたりを丸くジェスチャーする人もいることから、タイヤのイメージもあるのかもしれない。「デコちん」「あんぱんねえちゃん」他にもいろいろあだ名をつけられている人がいる。(ちなみにカナヨさんは「ココのママ」)

朝はみんなで『ぶんぷく茶釜』の台本を手にとってそれぞれ声を出している。リーダーの演技指導が熱を帯びてきた頃、みんなの集中力が途切れ始める。途中いなくなる人もいる。西成警察の方にいただいた七夕用の巨大な笹が運ばれてくると練習は中止。隣のサポーティブ・ハウスの女性などが遊びに来ると「べっぴんやな~」とフラフラついて行くおっちゃん。「タバコを買ってくれ~」と入ってきたおっちゃんのサイフは空っぽだ。「こいつ昼飯を食う金がないんやろ。」お金を持ち合わせている人が数人で1000円を捻出した。

リーダーと昼食に行く。身の上話をおかずに中華を食べる。故郷のこと。いろいろあって無一文で大阪に出てきたこと。後悔の色は見られない。その経験を文章にして出版社に持ち込んだこともあるという。妙に生臭い魚の唐揚げを食べながら、そんな人生もありかなと考える。
ココルームに行くので、と別れようとすると近くまで送ってくれる。恋人を送るような、手でも握られそうな雰囲気に面食らう。彼は「おじいさん」ではなく生き抜いてきた「少年」のようだった。
# by musubi-pro | 2005-08-06 22:22 | むすび日記

むすび日記

むすびの事務所に足繁く通うわたし(むすびネーム:ぶりぢすとん)がむすびの日々を綴ります。

メンバーたちの奮闘の日々や 生活文化 問題

ここから何が生まれるのだろう。
# by musubi-pro | 2005-08-06 22:12 | むすび日記

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# by musubi-pro | 2005-07-27 15:06 | カンパについて

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〒557-0002 大阪市西成区太子2-2-16 エッグス内

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# by musubi-pro | 2005-07-27 15:03 | アクセス

人のつながりから生まれた紙芝居劇

紙芝居劇むすびについて
石橋友美 紙芝居劇むすびマネージャー

むすびは紙芝居グループですが、厳密に言うと紙芝居を口実に集まっている人たちの団体です。メンバーはおっちゃんたち、ということになっていますが、たくさんの人が日常的に立ち寄ったり、立ち寄りたいと思ってくれていたり、心を共にしてくださっていると思っています。そうした人たちも含んだ「むすび」です。

場所は無料で貸していただいているし、事務所にはパソコンもなければ、水道さえない。私もマネージャーとはいえ、むすびで十分な日当がでるわけもなく、他の生業を持ちながら、週3日程度顔を出すパートタイムマネージャー。むすびは吹けば飛ぶような脆弱な体制で運営されています。あとは紙芝居の公演料やカンパで成り立っています。

紙芝居をする楽しいおじさんたちの魅力にハマってしまった人たちは、人生の先輩たちから生きる力をもらいます。本当のステージは紙芝居の前後にある人と人との交流の中にあるようで、やはり紙芝居は「口実」でしかないような気がしています。
むすびの強みは、弱いが故の強さ、それは助けてもらわないと成り立たない、自給自足するのではなく、あちこちの力を分けてもらいながら存在できるありがたみ。自分のおじいちゃんに会いに行くのに、「ボランティアにいく」とは思わないのと一緒で、「どうしてるかな。会いに行きたい」と思わせる強みなのかもしれません。

事務所であるエッグスは不定期に開き(基本的に火曜日と木曜日の午後の早いうちは開いています)、紙芝居公演は年間30~40回と忙しく、エッグスには毎日のように誰かが訪れます。おじさんたちの楽しみはとにかく「今日はどんな人に会えるんだろう」というワクワク感。生きている限り人は自分を成長させて、夢をもったり実現させることができるべき、冥土の土産は多い方がいい、というのが私の思いです。幸せなお年寄りの笑顔は、人生の後輩たちにどれだけ希望をもたらすか、紙芝居の後ろから客席を見ていて、強く感じます。おっちゃんたちが光を放つ紙芝居をぜひ一度ご覧ください。


誕生
紙芝居劇むすびのスタートは2003年頃に活動していたNPO法人「かまなび」の「ごえん」というグループがきっかけとなります。野宿から畳に上がった生活保護受給者のおじさんたちの生きがいサポートをする同NPOが自然発生的にはじめた紙芝居活動でしたが、紙芝居に歌が入り、お面をつけ、小道具が飛び出すスタイルはこの頃に形成されました。「かまなび」が解散した2005年、おじさんたちは「紙芝居を続けたい」「できれば自分たちで運営したい」と「むすび」に改名、再出発を果たしました。「NPO法人こえとことばとこころの部屋」が「むすびプロジェクト」を設立、支援に乗り出し、他のアーティストとの関わりが生まれました。引き続き事務所を無料で提供してくださった「マンション・フレンド」、むすびの自立宣言を関係者に公表する場を提供してくださった「釜ヶ崎のまち再生フォーラム」など、多くの地元関係者のみなさまがむすびの誕生をあたたかく見守ってくださいました。

おっちゃんたちの紙芝居劇
日本最大の日雇い労働者の寄せ場であるあいりん地区、通称・釜ヶ崎で活動しているグループです。初期のおっちゃんたちはほぼ全員が野宿経験者でしたが、現在は一人暮らしの理由も様々です。日雇い仕事で生きてきた人あり、サラリーマン経験者あり、様々な人生が交差して、おもしろい化学反応を起こします。もはや「むすび」はおっちゃんたちだけのものではない!スタッフや、遊びに来てくれる人、むすびに立ち寄って世間話をしていく人まで、何十人、何百人という人たちが「むすび」の輪を形成しています。

主な活動は紙芝居劇の制作と上演。手づくりで話をつくり絵を描き、保育園やお年寄りの施設などをはじめ、多種多様なイベントに出張公演しています。年間約30回以上の公演、動員数は1000人を超えるようになり、2007年にはイギリス・ロンドン公演、2010年には東京公演も果たしました。演目は「ごえん」時代からの昔話「桃太郎」や「ぶんぶく茶釜」、「むすび」になってからはオリジナル作品も手がけるようになりました。

むすびの紙芝居劇は、伝統スタイルの紙芝居と違い、複数のおじさんたちがそれぞれに役をもって1つの演目を演じます。お面をつけて、小道具や衣装も使って、ときには歌いときには立ち回りもして、観客のみなさんを楽しませようと心を配ります。ほとんどのおじさんが人前で演じる経験はこれまでありませんでしたが、歳を経た身体の動きや声からは、プロでもだせないような不思議な魅力が醸し出されます。その人の生きざま、強烈な個性がにじみでてくるのです。
# by musubi-pro | 2005-07-27 00:40 | 紙芝居劇むすびについて


西成・釜ヶ崎で紙芝居をするおじさんたちの表現活動