むすび史上初めての 人の結婚式での紙芝居。
おじさんたちは この依頼を聞いてから
ずっと楽しみに そして緊張してきた。
「おれらを呼んでくれるなんて」
「結婚披露宴に行くのは初めて。呼んでくれる人がおらんもん」
と おじさんたちにとってはドキドキの そして感慨深い初体験だったのだ。
衣装は白のタートルネックにむすびTシャツ、蝶ネクタイ、ズボンは自由で
「ジャージよりはジーパンかな」「サンダルはやめて 靴で」と
少し気をつかう。
会場に入ると100人を超えるドレスアップしたお客さんと
主役の席には初々しい花嫁と花婿。
緊張しないわけがない。
後ろから見ると 人の中に埋もれたおじさんたちの姿が 奮闘している。
スクリーンに映し出された紙芝居が映えている。
みなさんお食事中にもかかわらず
紙芝居を見てくださっている。
セリフが詰まると「がんばれー」と声援が飛び 93歳Snさんの熱演に拍手が起こる。
Niさんは劇中で新郎新婦にメッセージを送った。
このような晴れ晴れしい場所に呼んでいただいて感謝していること
おふたりが幸せに暮らされますように と。
新郎新婦に渡すプレゼントを違う人に渡してしまったり
周囲を笑わせながら 最後主役のおふたりにたどり着いた。
誰かを祝福できるのも しあわせなこと。
また冥途の土産ができました。
「なかなか上手にはできん」とか
「オレもまじめにやってれば こんな結婚式だってできたかもしれんのに」
と 少し内省的になっていたNiさんも
「これもいい思い出になる」といい顔をしていた。
胸には 共に闘ったキジのお面が大事そうに抱えられていた。
新婦のカエさん 人生の大事な場面にむすびを立ち会わせてくださって
本当にありがとうございました。どうぞお幸せに。