一心寺南会所での 合同公演。
5月に亡くなったむすびのメンバー佐野さんを偲んで。
佐野さんの愛情むき出しの態度がなければ
死ぬまで胸に抱き続けた 宮城の仲間への執念がなければ
この2つの団体の関係は 恋にまで発展しなかったかもしれない。
イベントの受付を買って出てくれたのは
ドレス姿の小菊さん(90) 大黒さんの千恵子さん(82) 本所さん(83)
お客さんのなかには 金沢や名古屋からはるばる駆けつけてくださった人や
ほなみ劇団が泊まった「ホテル中央」のロビーで昨夜一緒に楽天の試合を見ていた
お兄さんも来てくださっていたし
むすびメンバー行きつけの喫茶店のママさんや
いつものみなさんがご家族を連れて来てくれていたり
若手のおじさんたちが自ら声をかけた 同じ集合住宅の仲間も来ていた。
一心寺の南会所が80人の人で満員になった。
オープニング。まずはめでたく古橋理絵さんの南京玉すだれと
千恵子さんの大黒舞。
はにかんだ千恵子さんと古橋さんのおもしろいトークがいいコンビネーション。
佐野さんへの黙とう。
ここでちょっとしたサプライズで 古橋さんが「今日はお寺での開催。
これから佐野さんにお祈りをしたいのですが もしや会場にお坊さまはいらっしゃいませんか?」
と呼びかけると 「…はい!」と応答が!
実は いつもむすびの葬儀や法事をお願いしている僧侶の川浪さん。
「いたぁぁっ!!」ということで 川浪さんに鐘を鳴らしていただく間
黙とうをした。
山崎都世子監督に特別につくっていただいた映像の上映。
佐野さんのつないだ縁が浮かび上がってくる。
ほなみと むすびの日々の葛藤が 共有され 慰められるような
そんな出会いが 走馬灯のようにスクリーンに映った。
ここでほなみ劇団の紹介コーナー。緩和・在宅ケアと一言でいえるほど
「穂波の郷クリニック」の取り組みは甘くない。
80歳以上の超高齢のみなさんも 末期と言われる患者さんも
そのご家族も みんなが誰かのために動き 人の輪の中で
休む間もなく全うされる。
今回参加した新田憲司さん(82)は 自分が癌の妻を自宅で看取った話を
したあと 先日自らも癌の宣告を受けたと、会場のみなさんに語った。
告知を受けたのはつい先日で まだ受け止めることもままならない中
今回の交流の中に 飛び込んで来てくれた新田さんに敬意を表したい。
写真を撮っていないのですが
紙芝居は「春の里山七人衆」。
役者が かわいい花や動物に扮して 春に一日を演じる。
昨日みんなが全員集合した姿を見て
新田さんが「いやぁ まるで春が来たみたいだ」と漏らしていた言葉が思い出される。
この物語の作者の浅田さんが「みんな かわいいこどものような心でつき合えたら」
というようなことを語っていたことを思い出す。
ほなみ劇団と合同で演じることで 新田さんの東北訛りのナレーションや
おばあちゃんたちのかわいい声を聞くことができた。
時間は押しに押して 長老サミットは中止に…
自己紹介と 小菊さんの唄う「斎太郎節」でフィナーレ。
たぶんお年寄りのみなさんは二時間半のステージで
フラフラだったと思うのだけど 最後までシャンとして務め上げた。天晴!
そして 2つの団体に思いがけないプレゼントが。
今朝ようやく描きあげたという絵が
名古屋の間瀬さんより贈られた。
佐野さんの魂が 目にこもっている。どきっとした。
この絵はほなみクリニックに飾っていただくことにした。
記念撮影をしていると 間に合わないと言われていた
穂波の郷クリニックの院長 三浦先生が駆けつけてきた。
新田さんが大阪行を決断したのは 三浦先生が
「主治医として ついていく」と言ってくれた力も大きい。
どうなることかと思っていたけれど 宮城から来たわたしたちの恋人を
みなさんに無事紹介することができたようで とりあえずほっとして
アンケートを回収し忘れていたので
いらっしゃったお客様 ぜひとも感想をお寄せいただけるとうれしいです。
→メール kamishibaigeki@yahoo.co.jp
ご来場の皆様 ご協力いただいた皆様 本当にありがとうございました。