交流しているほなみ劇団に出会い直す旅。
佐野さんが 最後の言葉にするほど
行きたかった宮城に
若手たちが初めて降り立つ。
去年 感動の合同公演をした「がんばろう石巻」の広場に立ち寄る。
まわりの風景はほとんど変わっていなくて
置き去られたような寂しさもあり
でも見学の若い人たちがぽつぽつと訪れていた。
おじさんたち しばし言葉少なに風景を眺めていた。
さて 穂波の郷クリニックに到着。
新しくできたセミナーハウスに花を植える準備をしていた新田さんのもとへ。
昨年11月にお会いした時より
お元気そうな姿に 一同ほっと胸をなでおろす。
新田さんに教えてもらいながら 花を植える。
師匠と弟子みたいで いい感じ。
そしてクリニックに入ったかと思うと 餃子を包んでいたおじさんたち。
若手だけあって 手助けもさしていらずに サクサクと出来上がっていく。
出来上がった餃子で 歓迎の宴がスタート!
お互いに自己紹介からはじまる。
自然とお隣さんに醤油をまわしたり お皿をとったり
少しずつ 打ち解けていくのがむすびとほなみ流。
途中 サプライズが。名古屋の間瀬さんより届いた肖像画が開封された。
90歳の小菊さんは 「あらまー」と はにかんで顔を隠し
83歳の新田さんは 「すごいな こりゃ」と 満面の笑み。
巨大本所さんの絵といい 間瀬さんの創作意欲に敬服。
気づくとむすびのおじさんたちが
ほなみのお年寄りたちにマッサージをしていた。
親にするみたいに 話しかけながら やさしく身体に触れる。
癒されているのは されている側だけでなく
している方もまた 受け入れてもらっているのだと
互いの雰囲気からよくわかる。
今回は2泊3日 新田さんの家に泊めてもらった。
たくさんの布団の準備など クリニックの方にもお手伝いいただいたとか。
わいわいと寝支度が進み 新田さんとおじさんたち
少しの戸惑いの中 一日目を終える。
2日目。この旅のメインイベント。
新田さんの亡き奥さまが始めた「チューリップまつり」
それを引き継いだ新田さん。今年はむすびと開催する。
チューリップは満開で待っていてくれた。
予定表に「ブランチ」と書いてあったので
朝食は食べんとこー ということで
でもおじさんたちは朝6時から起きて散歩に行ってきて
「このコンビニのコーヒーうまいぞ」と コーヒー片手に帰ってきた。
若いおじさんたちの会話を微笑みながら見守る新田さん。
その後「バーベキューをするから 材料調達や企画は任せる」とお達しがあり
新田さんとおじさんたちは 家中をひっくり返しながら
ござを出したり 炭に火をおこしたり 買い出しに行ったり
すごいチームワークで準備を整えた。
おじさんたちの頑張りのおかげで「チューリップまつり」は楽しい宴となり
新田さんとおじさんたちも お役目を果たしてニッコリ。
夕方からはクリニックにて 合同紙芝居劇のリハーサル。
3日目に地元のグループホームで上演する予定。
こんな珍場面も。(右は女装したむすびのおじさん)
朝から動きっぱなしだったおじさんたち。新田邸に帰ってきた。
「寝ようか?」という声もありながら 新田さんの一声でカラオケ大会が始まった。
むすびのおじさん「10時までには終わろうな」と 新田さんの体力を気遣い
仲間にこっそり声をかける。
おっちゃんたちの宴は大いに盛り上がり
新田さんとむすびの新人さんたちはすっかり打ち解けて
「ああ もう明日帰らんとあかんのか」と誰かがつぶやいた。
最後の朝ごはん。もう家族みたいな親しさが漂って
他人同士 こんなにリラックスして一緒にいるのが とっても不思議。
クリニックに集合して 公演直前の練習をとおもいきや
待合の患者さんたちに向けて 公開練習ということになった。
「もう時間がないよ~」「無理だよ~」と焦る一同だったが
お客さんの笑顔に勇気をもらって だんだんいい演技をする俳優陣。
思いがけず いい時間になった。
急いで片付けて 場所を移動して グループホーム「コスモス」に到着。
さっきの公開練習に自信をつけた一同は 力を合わせてやりきった。
その心意気がお客さんたちに伝わっただろうか。
後でむすびのおじさんが 「わし ホームのおばあちゃんに3回もチューされた」
とはにかみながら語っていた。
クリニックに戻って むすびもいよいよ出立の時が来た。
寂しそうな表情の新田さん。温かく見送ってくれたみなさん。
新人のおじさんたちにも また新たな故郷ができた。
「また会いましょう。お元気で!」
先代のおじさんたちが築いた交流が
しっかり引き継がれたようだった。
応援してくださったすべての方々に感謝申し上げます。